予告編
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「心の再生ボタン」 本編10分
小説動画 『心の再生ボタン』 作・前田達哉 小説1 東京にある青赤通り。
2011年5月3日の午後2時頃の事だ。
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小説2 そこにいた男を疑いの目で見る加奈子。 「確かに、もっとニヤニヤした怪しい男だった」 そこにいた男は弱弱しく、襲ってくる雰囲気はなかった。 「襲われたの?」 「そう確か怪しい男が迫って来て、とっさに・・・そしたらココに・・・ココ何処?」 記憶を整理することで今の現実が明確になった。
「出口なんてないよ、この部屋には」 男は小さな声で言った。 「はぁ?」 加奈子の大きな声に脅えながらも 「ココは『一時停止の部屋』 |
「何言ってんの、動いてるじゃん」 「時間は止まっている」 その動きに誘われるよう加奈子も胸に手を当てた。 左腕に付けていた腕時計も止まっていたが 全てが止まっている。 「そんな・・・ちょっと、どうすればいいのよ」 「心の再生ボタンを押す、そういうイメージを抱けば元の世界に戻れるよ」
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小説3 ふと気になった事を加奈子は正治に問いかけた。 「って、あんたは何でこんな所にずっといるのよ?」 「飼ってた犬が死んだ、いじめられてる僕の唯一の友達だったのに、 正治が他人に少しだけ心を開いた瞬間だったが 「みんな僕を無視するんだ」
そんな時、加奈子はある事に気付いた。 「さぁ、ここでは時計も、朝も夜もないから、」 「じゃあ、あなたは、いつ時間を停めたの?」 「2010年の9月だったかな・・・」
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小説4 驚きの声が赤い空間を響かせた。 「でも加奈子さんだって、その中田さんと結婚できるのは自分だけだという強い意志があるんじゃ・・・」 必死に問いかける正治に冷静に加奈子が答えた。 「中田君はこのままだときっと恵美とくっ付く・・・」 「じゃあ、どうするんですか?」 正治の質問は答えなど無いという諦めの声だった。 しかし、加奈子はためらいも無く答えた。
完全ポジティブな加奈子に圧倒されながらも 「でも、自分じゃなきゃダメって人の方が・・・」
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